2008年5月21日水曜日

天を斬る 第二十三話 石に咲く花

今、時代はゴン様。ゴン様は千里眼。

しょっぱなから、百太郎の、人柄のよさが光る!
このあいだのお菰さんの件でもそう思ったけど。
アンタ間違いなく竜宮城行きだ。

そこで、凸凹トリオと
宿場口で造花を売る老人との間に会話が生まれ、
さらに権田さん登場で、
いつもの磐石な結束前フリ。

この回も、ベタに見えて実に美しく印象的です。
造花を買う亡き若侍の行動は、
最低限の贖罪と見るべきかもしれないが、

それを善意と受け取り、希望の光として
帰らぬ父を待つ武家の令嬢と老臣。
令嬢が少し知能の発達にさわりがある様子が、
無邪気なほどに一途で純真な心を描くことに奏功している。

老臣はおそらく、主人に何か変事が起きたことを
悟っているに違いない。
しかし、令嬢には言い出せない。
さらに、今となっては、この令嬢を守るものは
自分しかいない。

路銀も尽きた今、令嬢のつくる造花をなぜか高値で買う
若侍の好意を受けて生きる以外に術はない。
老臣は、この若侍と主人の間に、
なにか関係があったことに、気付いていたのかもしれない。

しかし、さすがは年の功、聞かない方がいいと
悟っていたのかもしれない。
そして、貧窮しながらも、この令嬢の一途に信じる心を
ただひとつの救いとして生きているのではないか。

この令嬢、知能面がいささか、といえども、
武家の礼儀作法はバッチリと躾けられて、
父が帰るまでは、仮住まいといえども家を守るのだという
気概が台詞にあらわれていて、実にケナゲ。

二人は、石になったのかもしれない。
でも
待つ身は辛いもの。
二人の行動は一見無意味で、実は、信じるという
人間の持つ念の強さが迫ってきます。

ラストで、なぜ塚のまわりに咲く花が
「ふと、目をあらわれるように美しい」
のか、視聴後の心に残るのもニクイ。


やっぱり、撮影の人安達さんじゃなかったなー。
これは、シリーズ終わったら、
安達撮影の回を洗ってみるかな。


天を斬る 第14話から最終回までDVDで

4 件のコメント:

  1. こんにちは、まず長いメール拝読ありがとうございました。初めて書き込みさせていただきます。
    さすが、左右田さんファンからのきりこみ巧いですね。この作品は松尾監督のお気に入りときいています。もう一度見直さなくては。今後ともよろしくね。

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  2. 大炊かもん2008年5月22日 20:28

    こんばんわ、メールありがとうございました。
    こちらこそよろしくお願いします。
    そうなんですか、松尾監督もお気に入りでしたか。
    実に、繰り返しの鑑賞に耐える、
    ��5分とは思えないすばらしい回です。
    秀作ぞろいの「天を斬る」
    結束先生はどれがお気に入りだったのでしょう?

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  3. 気になっていたんです。とてもいい作品なのに、最後の心に残る場面で、塚に咲く花が「美しい」ってナレーションで表現してあるのって本当に結束先生がそう書いてたのかなあって。あまり美しく映らなかったら言うしかないか、しかしそれって負けだよ~って。で、かもん様の最後の一言でわかった気がしました。まあ、リアルタイムではカラーというだけで十分だったかも。
    女優さんに関しても、わざわざ「美しい女」って言ってるときがありますね。

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  4. 大炊かもん2008年7月31日 23:17

    星砂さんこんばんわ。いらっしゃいませー。
    >本当に結束先生がそう書いてたのかなあって。
    あーもーこれは、激しく知りたいですね!
    しかも、書いていなかったのか、書いていれば、
    「美しい」だったのか「うつくしい」だったのか。
    『結束信二「天を斬る」シナリオ集』
    どこかで出版してくださらないものか。
    >最後の一言でわかった気がしました。
    過分のお言葉ありがとうございます。
    結束脚本は、八尋千尋に深すぎて、若輩者には
    まだまだ読み取れていないところが多々ありそうです。
    また後日リプレイして、新しい発見をしたいと思います。

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